おおたにクリニック

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MEDICAL

小児泌尿器科Child Urology

小児泌尿器科について

小児泌尿器科

成人と異なり、尿路性器の先天奇形や排尿機能の発達が遅れることによる症状や病気が診療の中心となります。

夜尿症、包皮の炎症や排尿困難の原因となる包茎、急性腎盂腎炎の原因となる膀胱尿管逆流症、排尿障害の原因となる二分脊椎、陰嚢の腫大の原因となる陰嚢水腫、陰嚢内に精巣を確認できない停留精巣、先天奇形ではないが、陰嚢の痛みや腫れの原因となる精巣捻転などが代表的な病気となります。

こんな症状ありませんか?
  • トイレが近い
  • 頻繁に夜中に起きてトイレに行く
  • 尿が漏れる
  • 排尿に勢いが無い
  • 尿が出にくい
  • 尿が出なくなった
  • 残尿感がある
  • 尿をしてもすっきりしない
  • 尿をするときに痛みがある
  • 尿をした後に痛みがある
  • 尿に血がまじる
  • 尿検査で陽性(尿潜血・たんぱく尿)を指摘された
  • 尿道や股間の奥(会陰部)に不快感がある
  • 膀胱炎が治らない(再発するなど)

症状と原因疾患

  1. 夜間におしっこがもれる(夜尿症・小児)夜間のおしっこの量が多い夜間多尿、おしっこを十分にためられない膀胱蓄尿障害、夜間の尿意に対して目が覚めない夜間尿意に対する覚醒障害などが疑われます。夜尿症の子供の5%弱には泌尿器科的疾患、内分泌疾患、脊髄疾患や精神疾患が見つかることがあります。
  2. 日中のおしっこが近い(昼間頻尿)おしっこの量が多い多尿、おしっこの1回量が少なくなる膀胱機能障害(原因は膀胱の病気神経系の病気薬剤性心因性)、尿道が狭くなる病気(尿道狭窄前立腺肥大症(男性のみ)や骨盤臓器脱(女性のみ))や尿路感染症などが疑われます。
  3. おしっこの勢いが悪い(尿勢低下)尿道が狭くなる尿道狭窄前立腺肥大症(男性のみ)や骨盤臓器脱(女性のみ)、おしっこを十分にためられない膀胱機能障害(膀胱炎間質性膀胱炎膀胱がん膀胱結石過活動膀胱神経系の病気薬剤性心因性)おっしこを出す力が低下する膀胱機能障害(低活動膀胱神経系の病気薬剤性心因性)などが疑われます。
  4. 急に強い尿意がある(尿意切迫感)膀胱の刺激や活動が亢進する過活動膀胱膀胱がん前立腺肥大症尿路感染症尿路結石神経系の病気薬剤性心因性などが疑われます。
  5. おしっこがもれる(尿失禁)尿失禁は4つに分類され、急に強い尿意がありおしっこがもれる切迫性尿失禁(原因は尿意切迫感を起こす病気と共通)、咳や運動中におしっこがもれる腹圧性尿失禁(原因は骨盤内臓器(膀胱や子宮など)を支える骨盤底筋の緩み、前立腺手術後)、トイレに移動する能力の低下や考える能力の低下(認知症)によりおしっこがもれる機能性尿失禁、複数の種類の尿失禁を持ち合わせた混合性尿失禁があります。
  6. おしっこに血がまざる(血尿)腎臓の炎症による糸球体腎炎尿路性器腫瘍(がん)、尿路結石尿路感染症などがあります。
  7. おしっこにタンパクがまじる(蛋白尿)尿路感染(膀胱炎など)、腎臓の病気(慢性糸球体腎炎糖尿病性腎症高血圧性腎硬化症など)、起立性蛋白尿などが疑われます。
  8. 睾丸を触れない(小児)睾丸が陰嚢からお腹の方へ移動する移動精巣、睾丸が陰嚢内に収まっていない停留精巣などが疑われます。
  9. 陰嚢に痛みや腫れがある(小児)陰嚢内に水がたまっている陰嚢水腫、陰のうやそけい菅内の蔓状(つるじょう)の静脈が異常にふくらんだ精索静脈瘤、睾丸がねじれる精巣捻転、睾丸が腫瘍化する精巣腫瘍、腸が陰嚢内に入り込む鼠径ヘルニアの嵌頓、細菌などの微生物が副睾丸(精巣上体)に感染を起こした精巣上体炎などが疑われます。
  10. ペニスに痛みや腫れがある(小児)細菌などの微生物が包皮に感染を起こした亀頭包皮炎、包皮の癒着や包皮に余裕がないために勃起時に痛みを感じる持続勃起症、包皮を引っ張って無理にペニスの頭を出そうとし、狭い包皮で締め付けられて、亀頭がひどく腫れてしまう嵌頓包茎などが考えられます。
  11. おしっこをすると痛みがある(小児の排尿痛)細菌やウイルスなどの微生物が尿道や膀胱に感染した尿道炎膀胱炎などが疑われます。
  12. かぜの症状(のどの痛み、咳、鼻水など)がないのによく発熱する細菌やウイルスなどの微生物が腎臓に感染を起こした急性腎盂腎炎が疑われます。急性腎盂腎炎を発症する小児の30~50%に膀胱にたまったおしっこが尿管や腎臓に逆流する膀胱尿管逆流が発見されます。時に尿管の下端が瘤状に膨らんだ尿管瘤や椎弓(背骨の後ろ側の部分)の癒合不全(骨がつながっていない状態)により神経が異常をきたし、膀胱や尿道の機能に異常がみられる状態(神経因性膀胱)が発生する二分脊椎が見つかることがあります。
  13. ペニスが曲がっている、おしっこの出口がペニスの先端ではないペニスの裏側におしっこの出口(外尿道口)がある尿道下裂陰茎弯曲が疑われます。
  14. 超音波検査で腎臓が腫れている(水腎症)といわれたおしっこは腎臓で作られ、尿管、膀胱、尿道を通して体外に排泄されますが、これらの経路に何らかの通過障害が生じ、停滞したおしっこのために腎臓が腫れる状態を水腎症といいます。生まれつき腎臓から尿管に移る部分(腎盂尿管移行部)が狭いことによる水腎症が最も多く、ついで尿管から膀胱に移る部分(尿管膀胱移行部)が狭い(この場合は尿管も拡張するので水尿管症あるいは巨大尿管症とよばれる)ことが原因です。

小児泌尿器科疾患分類Child Urology

小児泌尿器科疾患分類

腎臓・尿管の病気

  1. 先天性水腎症:尿は腎臓で作られ、尿管、膀胱、尿道を通して体外に排泄されますが、これらの経路(尿路)に何らかの通過障害が生じ、停滞した尿のために腎臓が腫れる状態を水腎症といいます。小児に多くみられる水腎症は生まれつき腎臓から尿管に移る部分(腎盂尿管移行部)が狭いことによる水腎症が最も多く、ついで尿管から膀胱に移る部分(尿管膀胱移行部)が狭い(この場合は尿管も拡張するので水尿管症あるいは巨大尿管症とも呼びます)ことが原因です。腎機能の低下がみられず水腎症が進行しなければ、その多くは自然に改善してくるので、手術は行わず経過を観察するのが原則です。巨大な水腎症や経過をみているうちに増悪したり、腎機能が低下する水腎症、痛みなどの症状を伴う水腎症では手術が必要になります。
  2. 膀胱尿管逆流:膀胱にたまった尿が尿管・腎臓へ逆流する現象で、尿管膀胱移行部の逆流防止のしくみが弱いために発生する先天性の病気です。膀胱尿管逆流の80~90%は尿路感染症をきっかけに発見され、有熱性尿路感染(急性腎盂腎炎)を起こす小児の30~50%に膀胱尿管逆流が発見されます。出生前後に超音波診断をきっかけに発見される場合も増えています。膀胱尿管逆流は自然消失する性質があり、発見年齢が低く、グレードが低く(逆流の程度が軽い)、片方のみの場合には消失率が高いことが知られています。膀胱尿管逆流にともなう腎障害は逆流性腎症と呼ばれ、小児期から若年者の末期腎不全の原因の5~6%を占める重要な病気です。家族内発生が25~50%と高いことも特徴です。膀胱尿管逆流の程度(グレードといい、IからVに分類されます)、および腎機能や下部尿路(膀胱や尿道)の機能を判定し、治療方針を決定します。保存的治療(手術を選択しない治療)をおこなう場合は、排泄コントロールと尿路感染の防止が重要です。排泄管理(時間・回数決めて排尿、便通のコントロール、抗コリン薬の内服)や少量の抗菌薬予防投与が有効です。尿路感染のコントロールが困難な患者さんに対しては手術も考慮します。結果的にグレードIVやVの患者さんは手術になることが多いです。

尿道の病気

  1. 後部尿道弁:尿道に弁のような構造物があるために、尿の流れが悪くなる病気です。排尿困難、頻尿、尿失禁や夜尿症などの症状がみられます。排尿困難が重度である場合は膀胱の尿が腎臓に逆流する膀胱尿管逆流となり、急性腎盂腎炎を機に後部尿道弁が発見されることがあります。
  2. 尿道下裂:尿は膀胱から尿道を通って出てきます。尿道がペニスの先端(亀頭)まで形成されずに、ペニスの腹側(本人から見ると陰茎の裏側)におしっこの出口(外尿道口)がある状態を尿道下裂といいます。子供では亀頭は皮膚(包皮)でおおわれていることがほとんどですが、典型的な尿道下裂では、包皮がペニスの背側(本人から見ると陰茎の表側)にフード状にかたよっていて、亀頭が見えています。またペニスが下向きに曲がる傾向があります。おしっこを出しにくいなどの自覚症状はありませんが、おしっこを立ってすることが困難な場合があります。また、陰茎の曲がりが強い場合は、将来の性交に支障をきたす可能性があります。治療は新たに尿道を作る手術を行います。尿道下裂の手術で作成した尿道はペニスとともに成長します。精巣(睾丸)の機能に問題がなく、性交に支障がなければ、子供を得ることは可能です。

排尿障害

  1. 神経因性膀胱:神経因性膀胱とは、神経のなんらかの異常が原因となって、膀胱や尿道の機能に異常がみられる状態です。神経因性膀胱では、尿をためる(蓄尿)機能や、ためた尿を排尿する機能に問題が生じます。神経因性膀胱の原因には、二分脊椎、脳性まひ、髄膜炎、脳腫瘍、脊髄損傷などが含まれます。
  2. 二分脊椎:二分脊椎とは、椎弓(背骨の後ろ側の部分)の癒合不全(骨がつながっていない状態)を意味します。正常な蓄尿や排尿機能のためには、膀胱や尿道の神経が脊髄や脳とつながっている必要があります。二分脊椎では、背骨の異常に伴って神経が障害され、神経因性膀胱となることが少なくありません。二分脊椎では、出生時に背中の皮膚の欠損やこぶの存在により診断がつくことがあります。一方、出生時には診断されなくても、背中の小さなこぶや皮膚のくぼみ、異常発毛などで診断されることがあります(潜在性二分脊椎)。生後数年たってから、膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染を起こしたり、あるいはオムツをはずした後に尿失禁が続くということがきっかけで、神経因性膀胱と診断されることがあります。膀胱や尿道の機能異常の程度が軽い場合には、日中2時間毎の時間排尿で経過をみます。蓄尿時の膀胱の緊張が強い場合には、膀胱をリラックスさせる薬剤を使用することがあります。便秘は膀胱機能に悪影響を与えるので、便秘対策は大切です。尿路感染を度々起こしたり、膀胱や腎臓に問題がある場合には、間欠導尿(時間毎に尿道から細い管を挿入して、定期的に膀胱をからにする管理法)が必要となることがあります。
  3. 夜尿症:5歳を過ぎても週に2-3回以上の頻度で、少なくとも3か月以上連続して夜間睡眠中のおしっこのおもらしを認めるものを夜尿症と言います。7歳児の夜尿症の子供は10%程度とされ、その後年間約15%ずつ自然治癒していきます。夜尿症は、夜間睡眠中の覚醒障害(容易に起きない)を基盤として、抗利尿ホルモン(夜間睡眠中に多く分泌され、尿量を少なくするホルモン)の夜間分泌不足による夜間尿量増加や排尿抑制機構(尿をぼうこうに溜めておく機能)の未熟性によるぼうこう容量低下が加わって起こると考えられています。夜尿症の子供の5%弱には泌尿器科の病気、内分泌の病気、脊髄の病気や精神の病気が見つかることがあるため最初に受診された際に、こういった病気による夜尿症でないか慎重に診察します。治療は生活指導や排尿抑制訓練をまず行います。生活指導で改善がなければ薬物療法やアラーム療法を検討します。

陰嚢の病気(男児のみ)

  1. 停留精巣:精巣が陰嚢(いんのう)の中に降りてこられず、鼠径部(そけいぶ)や腹腔内(ふくくうない)に留まっている状態です。精巣は元来、陰嚢内で発生するのではなく、胎児期にお腹(腎臓のある付近)の中で発生し、ここから鼠径管(そけいかん)というトンネルを通って陰嚢内に降りてきます。この精巣の下降が不完全な場合に生じるのが停留精巣です。停留精巣では妊孕性(子供を作る能力)が低下し、悪性化しやすいと言われています。治療は手術で、精巣が腹腔内や鼠径部に上行しないように陰嚢内に固定します。
  2. 陰嚢水腫:陰嚢水とは陰のう内に液体が貯留した状態を指します。精巣は、腹腔内から下降の際に消化管を包んでいる膜(腹膜)と一緒に降りてきます。そのため、腹腔内と精巣周囲は、細い道(腹膜鞘状突起 ふくまくしょうじょうとっき)でつながっています。2歳までに、腹膜鞘状突起は閉鎖するといわれていますが、閉鎖しなければ、そけいヘルニアや陰嚢水腫など様々な病気を引き起こします。腹膜鞘状突起が小さく開存していれば、交通性の陰嚢水腫になります。小児の陰嚢水腫のほとんどは、このタイプに入ります。そけいヘルニアを合併していれば、自然治癒の可能性はなく、早期の手術が必要になります。交通性の陰嚢水腫で水腫が緊満していない場合、緊急性はありません。非交通性の陰嚢水腫は1-2歳までにほとんどが自然に消失します。陰嚢水腫と不妊症との直接的な因果関係はありませんが水腫が緊満している場合は、精巣の変形が起こるとの報告もあります。そこで将来の精巣機能への悪影響を心配し、手術が勧められることもあります。
  3. 精巣捻転:精巣捻転とは精巣に血液を供給する血管が突然に“雑巾を絞るように”ねじれてしまい、精巣に血液が流れなくなってしまう状態です。ねじれの程度にもよりますが、発症後6~8時間以内に治療しないと大切な精巣が壊死(組織が死んでしまう状態)に陥ります。多くは思春期に発症します。夜間睡眠中に突然発症することが多く、陰嚢だけではなく下腹部の痛みや吐き気などをともなうことが特徴です。右側より左側に多く、冬場に発症することが多いともされています。治療は、緊急手術でねじれを解除し、今後捻転しないよう陰嚢内に縫って固定します。一方、受診や診断が遅れた場合には精巣を摘出することがあります。また、正常な反対側の精巣も捻転予防のために同時に固定術を行うのが一般的です。
  4. 精巣上体炎:精巣上体炎とは精巣につながる精巣上体が細菌感染などで炎症を起こす状態です。細菌は尿道から侵入することが多いため、尿が近くなったり、排尿に痛みをともなったり、尿検査で異常が認められることがあります。炎症が強いと発熱や血液検査での異常も認められます。精巣上体炎が明らかであれば手術は不要で、抗菌薬の内服または点滴で治療を行います。また、繰り返して発症する場合には尿道の異常などについて検査が必要です。
  5. 鼠径ヘルニア:鼠径ヘルニアは、一般には脱腸と呼ばれています。股の付け根の少し上あたり(鼠径部)から陰部にかけて膨隆する病気です。通常、腸が脱出しただけではそれ以外の症状は出ませんが、出口(ヘルニア門といいます)で締め付けられて、血行障害を生じることがあり、この状態を嵌頓(かんとん)と呼びますが、嵌頓すると膨隆部は赤みを帯びて固くなり、痛み・おう吐・発熱などを伴うようになります。放っておくと腸や卵巣が腐ってしまうことがあります。また、嵌頓を繰り返すと精巣を栄養している血管が頻回に締め付けられることで精巣が萎縮してしまうこともあります。早産児でない限り自然に治る可能性は極めて低く、手術によってヘルニアの出口(ヘルニア門)をしばることで治します。
  6. 精索静脈瘤:精索静脈瘤は、陰のうや鼠径(そけい)菅内の蔓状(つるじょう)の静脈が異常にふくらんだ状態です。息をこらえてお腹に力を入れたときに触ることができる軽度のもの(グレード I)から、簡単な触診だけでわかるもの(グレード II)、さらには目で見て明らかなもの(グレード III)まで程度はさまざまです。精索静脈瘤になるのは左が90%、両側ともが2~10%で、右はまれです。10歳未満ではほとんど見られませんが、10~15歳の時期に増加し、成人男性では約15%に発見されます。精索静脈瘤のいちばん大きな問題点は、造精機能(精子を作り出す働き)さらには不妊症との関連です。多くは無症状で経過しますが、小児においては陰のうの内容が膨れたり、痛みや重苦しい感じを訴えて来院します。痛みがある場合や、精巣の発育が良くない場合には手術適応と考えて良いと思われます。少なくとも思春期や成人での手術では不妊症に対して効果があることが示されていますが、将来の不妊症を予防する目的で小児期に手術をすべきかに関しては十分な証拠はありません。

陰茎の病気

  1. 包茎:包茎とはペニスの先端の亀頭部(きとうぶ)が包皮(ほうひ)で被われて亀頭が露出していない状態をいいます。乳幼児期は包皮と亀頭はくっついていて、折り返しの部分(包皮口、ほうひこう)が生理的に狭くなっています。いつむけるようになるかは子供によって様々です。4~5歳になると亀頭が見えるまでむけることも多いですが、最終的にはほとんどの男性では陰茎が成人のサイズになった段階で包皮と亀頭の癒着(ゆちゃく)が解除されて包皮をむいて亀頭を露出できるようになります。症状としては、包皮が赤く腫れる「亀頭包皮炎(きとうほうひえん)」、尿がスムースに出ず、包皮がふくらむ「バルーニング」があります。また、包皮をむいた後にもどらなくなることを「かんとん包茎」といいますが、これは至急に受診が必要です。バルーニングは手術またはステロイド軟膏で治療します。亀頭包皮炎は陰茎の発達過程である2~5歳ころに発生しますが、必ずしも包茎の治療が必要な理由にはなりません。

腎尿路・性器腫瘍

  1. 腎に発生する腫瘍
    1. 先天性間葉性腎芽腫:生後3か月までの乳児では最も頻度の高い腎腫瘍で、胎児期の間葉細胞類似の細胞が増殖しています。小児の腎腫瘍の3~6%を占めます。悪性度の低い腫瘍とされ、外科的に完全切除されれば予後は良好です。
    2. 腎芽腫:最初にこの腫瘍の起源を明らかにしたMax Wilmsにちなんで、ウィルムス腫瘍とも呼ばれています。発生頻度は8千の小児に1人の割合で、2~4歳に好発し、腎腫瘍の9割を占めます。5%が両側性です。予後は良好で、現在の治療プロトコールを用いれば生存率は9割を超えるますが、diffuse anaplasia(ディフューズアナプラジア)といった特殊な組織型は、予後不良です。
    3. ラブドイド腫瘍:早期に脳転移を来し、中枢神経系悪性腫瘍を合併しやすい極めて予後不良な腎腫瘍です。小児腎腫瘍の2%を占め、90%は3歳までに発見されます。
    4. 明細胞肉腫:胞体の明るい細胞で構成された腫瘍で、骨転移やリンパ節転移をきたしやすく予後不良です。小児腎腫瘍の4%を占め、平均発症年齢は3歳です。
    5. 腎がん:小児にも成人に発生する腎がんが発生します。全体の5%程度で、10歳代の小児腎腫瘍では50%を占めます。腎芽腫や神経芽腫の治療後に発生する場合があり、化学療法や放射線治療との関連が考えられています。比較的予後はよいです。
  2. 膀胱・前立腺・腟に発生する腫瘍:横紋筋肉腫が多く、泌尿生殖器発生は全体の25%を占めます。10歳以下が70%です。組織型は胎児型と胞巣型に分類されますが、ブドウの房のように膀胱内腔や腟内に飛び出して発育する胎児型が多いです。泌尿生殖器は予後良好なグループですが、前立腺と膀胱発生は腟原発より予後不良です。
  3. 精巣に発生する腫瘍:性腺細胞となる胚細胞由来の腫瘍です。胚細胞が増殖した悪性腫瘍が精巣に発生するものをセミノーマ(seminoma)と呼び、思春期に好発します。胚細胞が分化し胚芽外組織になった段階でがん化した腫瘍が卵黄嚢がんです。4歳に最初の発生ピークがあり、20~40歳に次のピークがあります。胚細胞が胎芽性組織へ分化したものが良性の奇形腫です。骨、神経、脂肪、皮膚などの3肺葉成分が混在します。未熟な成分を含む場合は、転移や再発の危険性があります。